ヤングケアラーだった私に、今の私が言ってあげたい言葉。

長い間、読ませていただいているカリーナ(野田敦子)さんのブログ。

jibun-iyashi.hatenablog.com

その記事には、「突然」が書かれていました。
ご主人が倒れたと・・・

記事の内容に仰天し、そしてブログの読者として心配で心配で。

ブログの更新のたびに、カリーナさんがお元気でいらっしゃることを確認し、ご主人と、カリーナさんと、その周りの人々のことが書かれた記事を読ませていただきました。

その文章からは、愛と、優しさと、様々な人間模様と、妻としての正直な気持ちが書かれていて、読むたびに考えさせられました。

記事への反響が大きく、カリーナさんの記事が新聞に掲載されるようになり、本が出版されました。
カリーナさんの記事が多くの人に共感されるのは、とても正直に書かれているからだと思います。

 

私も購入させていただきました。
ブログをずっと読んできたので、あの時はこうだったのか、そうだったのかと、記事の内容と重ねてしまい、読みながら目に涙がたまってしまって、文字がぼやけてばかりでした。

看病は、きれいごとでは済まないこともあると思います。
家族愛が試されているような、献身が前提とされていると感じることに対する自分の心の葛藤もあり、苦しい事もあると思います。

本には、カリーナさんと、その周りの人々とのやり取りが、とても人間らしくありのままに書かれています。

今、介護をされている方はもちろんですが、身近な人に ( 私の場合は親 ) 少しずつ老いが迫ってきて、介護という言葉が頭の中にある方にお勧めです。

f:id:jibun_iyashi:20210618140412j:plain

以下、長文になってしまいました。お時間のある方はお付き合いください。

ヤングケアラーだった私に、今の私が言ってあげたい言葉

本の中で、心に残ったのは、カリーナさんが、娘さんに介護の責任を追わせるつもりはないと、お姑さんに伝えた事です。

私が小学校中学年のとき、両親が家業を継ぐことになり、母の実家へ引っ越しました。
それまで、ほとんど会ったこともなかった祖母、しかも認知症……
両親は仕事が忙しく不在がちだったので、祖母と私と妹が家にいました。
私は、小さい頃からしっかり者で気が利く子と思っていた両親は、私がいれば大丈夫と思ったようです。

私は、今で言うヤングケアラーです。

小学生の頃には、廊下にこぼれている排泄の失敗をきれいに掃除して、中学生の頃には、寝たきりになった祖母のオムツ交換もしていました。
祖母はずっと自宅にいて、私が高校生のときに他界しました。

もし、今の私がタイムスリップして両親に話ができるのなら……

祖母の介護の為にお手伝いさんを雇うことを勧めます。
あの頃の我が家は、経済的にお手伝いさんを雇うことも出来ましたはずですが、
母にとって「親の面倒を見ている」ことは、お手伝いさんを雇うことではなく、家族で介護することでした。お手伝いさんを雇うことは、介護を放棄したように感じていたようです。
確かに母も一生懸命だったと思いますが、家族なら孫である子どもも、同じ愛情があるのは当たり前と誤解していたのです。

もし、当時の私に言葉をかけてあげられるなら。

「したくない、手伝いたくない」って思うことは悪いことじゃないんだよ……
そう思う時だってあるさ。あなたは優しい子だよ。

そして、「あなたは本当によくやっているよ」って褒めてあげたいです。

HSPの子ども =HSC は責任感が強く、義務と義理が先に来て、自分の心を押し殺しがちです。「病気のおばあちゃんに優しく」という、当たり前に苦しめられます。

幸い私は、高校の先生方が気にかけてくれました。
周りの大人が気が付いてあげるだけで、変わる事ってあるんですよね。
高校の先生たちに感謝です。

最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。

books.shufunotomo.co.jp