強迫症(強迫性障害) の はじまり

*この記事は心の病気「強迫症(強迫性障害)」についてです*

自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れず、わかっていながら何度も同じ確認などを繰り返すなど、日常生活にも影響が出てきます。
意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。

強迫性障害|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省より。

わたしの「強迫症(強迫性障害)のはじまり

わたしが心の病気である「強迫症(強迫性障害)」を発症したのは中学生の頃でした。
もう35年ほど、この病気と付き合っています。

塾に行くために家を出ても、戸締りが気になって家に戻ってしまいます
当時住んでいた家は坂の上にあり、家に戻るには坂を上って戻らなくてはなりません。
それでも、坂の下から戻ってしまうのです。

そのうち「ガスの元栓を閉めたか」も、気になるようになりました。
実家ではガスの元栓を閉める家族なんていなかったので、いつも元栓は開いています。
その元栓を閉めて家を出るのですが、締めたと頭では分かっているのに「ガスが漏れたらどうしよう」という不安を抑えきれず家に戻ってしまうのです。

ストレスしかなかった中学生時代

祖母の介護のストレス

わたしが中学生の頃、同居していた祖母は自分で排泄が出来ない状態でした。
自営の両親は忙しく、夜遅くにしか帰宅しません。
母がオムツ交換はしていましたが、不在の夜はわたしの仕事になっていました。

祖母はアルツハイマー型認知症でもありましたので、わたしは小学生の頃から祖母が失敗した排泄の片付けなどもしていたので、今だったらヤングケアラーですね。

ヤングケアラーだった私に、今の私が言ってあげたい言葉。 - 自分暮らし・癒やし時間

親の過度な期待がストレス

教育熱心な両親に育てられました。
幼少期から小学校低学年までスパルタ教育の家庭でしたが、両親が家業を継ぎ、仕事が忙しくなったことで解放されました。

中学の頃は勉強を自分からすることはありませんでした。
そもそも、小さい頃から勉強をさせられていたので勉強が嫌い。

中学の成績は悪く、親からは叱られてばかりでした。
塾に行っても家庭教師をつけても、やる気がないので成績は伸びません。
親からの過度な期待に相当なストレスを感じていました。

友達に愚痴すら言わなかった

当時を振り返ると、親の悪口はもちろん祖母の世話をしていることも友達に話したことがありませんでした。家のことを外で話すのは恥ずかしいと感じていたからだと思います。

心の病気があることを知らなかった

わたしが中学生の頃(昭和の終わり)は、ネットはありませんでしたし、今の中学生に比べて知っている情報は少なかったと思います。
まさか自分が心の病気にかかっているなど思いもしません。

親とは気軽に相談できるような関係でもなかったので、どうして確認行為を繰り返してしまうのか分からないまま高校へ進学しました。

朝散歩 AM 5:57 先日の台風にも負けずに咲いていました。

強迫症(強迫性障害)について記事を書こうと思ったのは

SNSで知り合った強迫症(強迫性障害)つながりの方が、強迫症を詳しく知らない人たちからの、配慮のない言葉でSNSもブログの更新も休止しました。
とても悲しかったです。

同時に、心の病気について書くことの難しさを思い知らされました。

ところが最近、ふと目にした同じシンプルライフのブロガーさんの記事。
パニック障害について書かれていました。

その方の記事は正直に書かれているけれど、文章が優しくて読みやすく「同じ心の病気の人がいる」と知るだけでも心強く感じました。
お薬を飲むことが終わり「寛解」されたという記事は、わたしの希望になり、自分の病気に向き合おうと思えました。

それで・・・
思い切って以前から読んでいた同じ病気のブロガーさんにコメントしてみました。
温かいお返事をいただき嬉しかったです。

SNSの出来事があまりに悲しく、ネットで同じ病気の方と繋がることは避けていました。

4月に意を決して「心の病気」について記事にしたものの、SNSでの件で相当なショックを受けてしまったわたし。

「このブログに訪れた人が読みたいと思う記事(心の病気など)ではないかもしれない」という考えが消えなくなってしまい、強迫症の特化ブログを別に作る準備をしていましたが・・・

強迫症の記事に頂いたコメントやブクマを読み返してみると、そのどれもが優しくて温かくて。
やっぱり「このブログに書こう」と思ったのです。
複数ブログを更新するのは大変ですしね。

おわりに

強迫症(強迫性障害)は、生活の質(QOL)を下げる病気です。
WHOの「QOLが低下する十大疾病」の一つに数えられたこともあります。

強迫症に、人生を振り回されるのはもったいない

強迫症を改善するための工夫や、強迫症の症状を書くことで・・・
少しでも誰かの役に立てたらいいなぁと思います。

『強迫症を治す』を読んで~病気と30年以上付き合ってきた私の変化~
「名探偵モンク」強迫症(強迫性障害)あるある

強迫症:OCDObsessive-Compulsive Disord)
「強迫性障害」という言葉の方が広く知られていますが、2014年に「障害」が「症」に訳し直されたそうです。
理由の一つとして、児童の患者やその保護者に「障害」という言葉の与えるショックを避けるためがあるそうです。

「強迫症」も「強迫性障害」同じOCDです。

参考:『強迫症を治す』亀井士郎 / 著  松永寿人 / 著