役員を引き受けても「それはできません」って仕事もあると思う

「桜満開の春」は「始まりの春」であり、「役員決めの春」でもあります。
自治会役員3回、学校役員5回してきました。
終わってみれば80%はやってよかったと思っています。
タイムマシーンに乗って「それはやめとけ」と思う役員もあります。

私が初めて引き受けた役員で後悔していることがあります。

それは「できません」と言わなかったこと。
当時はまだ30代前半で若く、初めての役員仕事で周りに押し切られてしまいましたが……
今だったら「できません!」とハッキリ言うと思いますが、言えなかった頃の思い出。

【記事の内容で違うと思ったら読み飛ばしてくださいね】

娘と久しぶりに行ったスタバ

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周りに押し切られて背負った責任

初めて引き受けた役員は、自治会の子供会の役員でした。
仲良しのママ友Sさんと一緒に引き受けました。

子供会に加入している子どもの保護者(主に母親でした)の携帯番号とメールアドレスを連絡網に記載して配布していました。
(個人情報保護法で今はありえない事ですが)

私の仕事は、連絡網や、交通安全当番、資源回収の当番表を作ること。
自治会では、当番を休んだときは2千円の罰金が発生するシステムでした。
子供会の年度初めの集会で当番表を配布した時に、一人のお母さんが言いました。
「うちの家のカレンダーは12月で終わります。当番は3月まであるので忘れることがありますが、その対策はしてくれないんでしょうか?」と聞かれました。

私は、「そういう対策はしていません」と答えましたが……

「皆、忙しい中、当番を引き受けているんだから、メールで役員さんが当番の日が近くなったら教えてくれませんか?そしたら忘れません」
という意見が出ました。

すると、「当番に協力しているのに、忘れたからって罰金を払うのはおかしいし、それを防ぐために役員が連絡すべき」

という意見が圧倒的多数になってしまいました。

多勢に無勢。私とSさんは顔を見合わせて小さくなるだけで、反論できずに引き受けてしまいました。

Sさんは自治会との連携的な仕事があったので、当番の連絡は私がすることになりました。
仕事をするうちに私は、罰金について大変なことに気が付きました。
当番に参加しなかったら2千円の罰金が発生するけれど、その罰金を払うのは当番を忘れた本人ではなく、事前連絡を忘れた役員(私)が払えと言われるのではないかと……

私が連絡を忘れると罰金の事で大きなトラブルになると気が付いた私は、どうやったら事前連絡を忘れない様にするか考え、4月始まりのカレンダーを購入したのです。

4月始まりのカレンダーを購入したきっかけってなんだった?と思った時に、ハッキリ思い出しました。

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トイレに当番表と事前連絡する日(当番の一週間前)を書き込んだカレンダーを貼り、常にチェックしました。
押し付けられた「絶対に忘れてはならない責任」は相当なストレスになりました。
「自分の当番を自分で把握するのは当たり前の事ではないでしょうか。役員の仕事はたくさんありますし、そこまでお引き受けすることはできません」
と、今なら言いますが、当時は言えませんでした。←若かった
ストレスだらけの1年間でしたが、一緒に乗り越えたSさんとは、引っ越した今でも年に一度ランチに行くお友達です。

役員を経験して強くなった私

初めての子供会の役員は、周りに言いなりで理不尽な仕事も押し付けられた1年でしたが、その後、私に転機が訪れました。
私の住むマンションに、自治会で誰も引き受けたがらない「会計」の当番が回ってきたのです。
マンションの集まりでも決まらず、クジになりましたが、様々な理由で「くじに参加したくない」という人が出て、時間だけが過ぎていくので「私が引き受けてもいいです」と立候補しました。
そしてその時に「変えたい事もあるのでいいですか?」と付け加えました。

約100世帯の会計は大変でした。分からないことだらけで徹夜で帳簿を仕上げる事もありました。
自治会の活動には親子で全て参加し、若かった夫はテント設営から片付けまで肉体労働を手伝いました。
そして、1年間の会計仕事が終わった時、マンションの話し合いで提案しました。
「会計の仕事はとても大変でした。忙しい中、自治会費の集金を3か月に1度、70世帯分手書きで作っています。
もし皆さんが、会計の仕事を大変だと思って下さって、少しでも協力したいと思って下さるなら、自治会費を1年分一括で払っていただけないでしょうか。
自治会には、『会計さんが大変だから』と言って会費を年払いして下さる世帯が30世帯あります。
このマンションは世帯数が多いので、皆さんが年払いして頂けるととても助かります。出費の多い時期に年払いは大変かと思いますが、今月(4月)から1年分を各家庭で貯めて、再来年度分から年払いでもかまいません。ご協力をお願いいたします。」
と、お願いしました。

それから私のマンションは、ほぼ全世帯が自治会費を年払いしてくれるようになりました。
私がハッキリ伝えられたのは、最初に「変えたい事もがあるのでいいですか?」と付け加えたのは大きかったと思います。
(もとはと言えば、理不尽な意見への伏線でした)
そして、陰になっていつも私の味方で支えてくれたママ友Sさん家族の存在も大きかったです。
役員をしていると、理不尽な事もありましたが……

小さな娘2号を連れて集金に行くと、娘に仏壇のお菓子を下さる年配の方。
集金バックを抱えて歩いていると「お疲れさん」と声をかけて下さる町内の方。
年に一度、庭のサクランボを「いつもありがとう」と持ってきてくださる方。
温かい思い出もたくさん残りました。
引っ越すときは、とても悲しかったです。

そして、引っ越し先でまた「役員一年生」になった私。(笑)
まぁ、いろいろありました。ストレスだらけでした。
でも、一緒に役員をしたママ友は大人になって出会った大切な友達になりました。

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役員のいいところは「期間限定」だと思います。
目の前の事をひとつずつこなせば
1年後に(2年や3年もあるかもしれないけど)必ず終わりがくる!

役員仕事をしていると、自治会や学校など、古くからの慣習で意見が通らない事もありますが、新米役員さんでも「それはできない」って思ったら、伝えることは大事だと……経験から思いました。←私は言えなかったけど。

そして、周りも「それは違うんじゃない?」と思ったら、自分の身に置き換えて助け船も大事ではないかと。

4月始まりカレンダーのことから、まだ30代で、子育ても仕事も役員も引き受けていた「若さ溢れていた自分」を思い出して懐かしくなりました。
そして、心に残っていたモヤモヤした思い出を記事で言葉にしたらスッキリしました。