『ただしい暮らし、なんてなかった。』手に取った本は大好きな色でした

買いたい本があったので書店に行きました。
欲しかった本を探していた時、目に入った私の大好きな
思わず手に取ったその本は、文筆家の大平一枝さんの本でした。

『ただしい暮らし、なんてなかった。』

「かつてのわたし、いまのわたし。」
「モノも友達もスケジュールも、もうそんなに足さなくていいと気づいた」と書かれた帯。

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本の色とその言葉に惹かれて購入しました。

東京の台所を愛読しているのに、なぜか大平一枝さんの著書を今まで読む機会がなかったので嬉しくて!
東京の台所2 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]

2011年に書かれた『もう、ビニール傘は買わない。』から10年が過ぎ、何が変わって、何が変わらなかったかを問われたことから『ただしい暮らし、なんてなかった。」が生まれたそうです。

一節ずつ最後に大平さんの「かつて」と「いま」が書かれています。
子育て期、子どもの手が離れた時期、家族が巣立っていく新しい今、変わったことや変わらなかったことが書かれています。

暮らしも考え方も今の自分に合わせていい

一節読むたびに、自分と照らし合わせました。
暮らしや家族のあり方、考え方や仕事も、少しずつ変化していくもの。
「こうあるべき」思考を捨てれば、もっと身軽に生きていけると思います。

あるミニマリストの方を思い出しました。
「ミニマリストなのに◯◯を持っているんですか?」という問いに対して答える「ブレない軸」がミニマルな暮らし方よりカッコよかった。

試行錯誤を繰り返すのは、より良い暮らしを求めているから。
日々の積み重ねで自分の「軸」を作りながら、いくつになっても「変化を楽しめる人」でいたいです。

暮らしも生き方も「ただしい」は「ない」

『ただしい暮らし、なんてなかった。』その解説がいろんな角度から丁寧に書かれている一冊で、あっという間に読み終えてしまいました。

一番心に残ったのは、題名です。どの文章も心に響いたけど、座右の銘にしたいくらい題名が気に入りました。

『ただしい暮らし、なんてなかった。』とう言葉に私が心底ホッとしたのは、「自分らしい暮らし」の「ただしさ」に囚われていたからかもしれません。

シンプルライフを目指していても部屋が散らかっている時もあるし、シンクがびっくりするほど汚れたままの時もあるし、メンタルが落ち込んだらトイレ掃除すらできない時もあります。

でも、そのどれもが大切な日々。
「ただしい」はなく、全部ひっくるめて「我が家」であり、振り返ったら「暮らしの歴史」になっているんですよね。

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本のカバーを外しても大好きな色だったことに感動!

大平一枝さんと私の共通点

①髪型

まさかの!同じパッツン前髪でした。(笑)一番嬉しかった。

私は美容院を変えたら「パッツン前髪」にされたのが始まり。
娘達が「似合ってる」と言うので短めに切って、伸びたら美容院へ行きます。
行きつけの美容院を時々変えてみると新しい自分が発見できることがあります。

②引っ越しが多い

/は結婚して4回引っ越しました。
(大平一枝さんは7回!+引っ越し8回目の待機中)

引っ越すたびに家に合わせて家具を買い替えたり、断捨離したり、思い返したら無駄ばっかりだったけど、失敗は次の暮らしへのステップになり、「人との繋がり」というお金で買えないものも得ることができました。

③フライパンは使い捨て

私も大平さんと同じようにフライパンジプシーでした。たくさん試して「鉄のフライパン」と私の相性の悪さを自覚。

今は三千円台で買えるフライパン。
テフロン加工が劣化する10か月で買い替えています。

もしかしたら私は”一生モノの道具”という言葉に、自分が振り回されていたのかもしれない。

ただしい暮らし、なんてなかった。 - 平凡社より

④年中ダイエットをしている

私と同じく血中コレステロールが高かったそうです。「わかる!」の連続でした。

「東京の台所」もおすすめしたい

「東京の台所」の出会いは、5人家族で無駄のない暮らしをされている方の記事でした。

www.asahi.com

台所を中心に、それぞれの生き方を垣間見ることができます。
大平さんが訪れる台所には、その数だけ人生があり、物語があります。
涙が止まらなくなることもあり、何回読んでも飽きません。
眠れない夜にソファーに座ってスマホで「東京の台所」を読みます。
「大豆の甘辛和え」「やりたいことリスト100」「こだわりの調味料」も東京の台所から私に繋がったこと。

東京に住んでいないので、取材に応募できないのが本当に残念。
いつかブログで「我が家の台所」の記事を書こうかな。

おわりに

ずっと手元に置きたい大切な1冊になりました。
本を読んで思ったこと。

10年前の私は「子育て」「仕事」「時間」に追われるように暮らし、「若さ」「気力」「体力」で乗り切る全速力の毎日でした。

これからの私は「今の自分」と「変化」を受け入れ、ただしさに囚われず、待つことを覚え、楽しく日々を過ごすために、生きるスピードを少し落として周りの景色をゆっくり見ようと思います。

 

www.heibonsha.co.jp