30年ぶりに「推し」となって戻ってきた!「銀色夏生」

特別お題「わたしの推し

約30年ぶりに「銀色夏生」が私の心を離しません。
お題を見てこれは書かねばと思い、参加させていただきました。

銀色夏生との出会いは16歳

友達が「これいいよ」って貸してくれた「銀色夏生」の詩集。
それまで「銀色夏生」の存在を知らなかった私でしたが、読み始めたら、あっという間に「銀色夏生ワールド」に引き込まれました。

詩となった恋する気持ちにうっとりし、思春期の私の心を言葉にしたような詩に共感以上の魅力を感じました。

詩集の中の写真は、詩と一緒にメッセージを伝えているように感じ、詩に添えられてるほっこりする絵も大好きでした。

そして、銀色夏生の詩集を読むたびに、自分がちょっぴり大人になっていくような気がしました。

ただ当時は、「銀色夏生」って男なのか女なのかも知らずに読んでいました。
今の様にネットもなかったし、友たちの情報とテレビと雑誌が私の知る世界だったので、今思うと小さな世界で、知るよしもなかっただけですが、「銀色夏生」という人よりも、詩の言葉の方が大事だったんだと思います。

書店には「銀色夏生」の本が並んでいましたが、高校生のお小遣いでは足りず、友達に借りたり貸したりしながら、夢中になって読んでいました。

それから数年が過ぎ、高校を卒業し、慣れない寮生活で「銀色夏生」は少しずつ離れていきました。
就職して仕事に追われる頃には、銀色夏生の本は実家に帰った時に手に取るくらいになり、その実家も引っ越しで私の荷物はほとんどなくなりました。
結婚して子育てに追われると、「銀色夏生の世界」は私から遠く遠く離れていきました。

30年ぶりに手に取った「銀色夏生」の本

その日は心がとても疲れていました。
ふらりと入った書店で、平積みされていた文庫本の「銀色夏生」の文字に目が留まりました。
懐かしくて手に取って開くと、衝撃が!
「銀色夏生」が顔出ししてる!
(私が知らなかったか、見たけど忘れたかだと思います)

私の想像する銀色夏生は「謎めいた人」でしたが、写真にはそんな雰囲気もなく、親しみやすさがあって驚きました。
そして、「年齢を重ねた銀色夏生の笑顔」は、とても柔らかくて優しくて、思わず泣きそうになりました。

そのまま本を買って帰り……という流れになるのが普通ですが、心が疲れていたんですね~。しばらく立ち読みさせてもらってフラフラと家に帰りました。
でも、頭から「銀色夏生」がどうしても離れず、1週間後に買いに行きました。

30年ぶりに買った本「魂のままに生きれば、今日やることは今日分かる」つれづれノート㊵

書店で購入したのは「銀色夏生」が長年書き続けている「つれづれノート」という本の40番目でした。

東京から宮崎へ戻った「銀色夏生」の生活のエッセイには、日々の暮らし、周りの人々とのあれこれ、銀色夏生目線の日常が書かれていて、その全てが私の心を離さないのです。

憧れでもなく、真似したいライフスタイルでもなく、言葉で表すのは難しいのですが、そこには「銀色夏生ワールド」が30年前と変わらず「今の私」に優しい光を放って存在しているのです。
そして、嬉しいことに「銀色夏生」をとても身近に感じられました。

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お風呂で本を読むのが習慣なので、じっくり、ゆっくり、何度も読んだら本がフニャフニャになりました。

私が久しぶりにベランダガーデニングをしたくなったのは、つれづれノート㊵で「銀色夏生」の庭造りに影響されたから。

www.jibun-iyashi.com

30年間、ふと思い出していた「銀色夏生の詩」

「銀色夏生」が私の中から遠ざかっていた30年ですが、完全に忘れていたわけではありません。

独身時代、持ち帰りの仕事の期日が迫っているのに眠くて仕方ない時。
子育てに疲弊し、布団から出られなくなった時。
どうにもこうにも眠くて仕方ない時。

必ず思い出す詩がありました。

「このワガママな僕たちを」という詩集の中の「ねむり病」という詩です。
銀色夏生のホームページの中でも紹介されています。

ginironatsuo.com

この詩を思い出して、ガバっと起きて仕事に取り掛かったり、
詩が頭に浮かぶことで、自分の心の中にある「やりたくないこと」に気が付くことができました。

私の記憶は曖昧で、詩の中の一部しか覚えていなかったし、頭の中で違う言葉に書き換えていましたが、それでも30年間私の中で生き続けていました。

ホームページで改めて読んだら、16歳の自分の部屋と勉強机を鮮明に思い出しました。
テスト前に必ずこの詩を読んで、徹夜したり、睡魔に負けたりしていた記憶です。

再び!銀色夏生を楽しむ日々

また、少しずつ銀色夏生の本を集めています。
「銀色夏生初体験の人にオススメ!」と帯に書いてあった2019年に発売の「力を抜いて」

銀色夏生というを知りたくて、少しずつ読んでいます。

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 毎日、ひとつの小石をつむように生きようとすること

www.kadokawa.co.jp

「銀色夏生」をお風呂で読むのはもうやめました。(笑)
暖かい日の午後のソファー、寝る前のベッド、1人でリラックスできる時間に、ゆっくりゆっくり……言葉を噛みしめながら読んでいます。
特に心に響く言葉の箇所に、付箋を貼りながら読むのがマイブーム。

出かけるときもバッグの中に銀色夏生の本を入れています。
私にピッタリの「ひとりがすきなあなたへ」

銀色夏生に夢中の私に、娘2号が「しおり」を作ってくれました。f:id:jibun_iyashi:20220109010209j:plain

www.gentosha.co.jp

銀色夏生の魔法

16歳の私に、30年後に「銀色夏生」に夢中になるよと言ったら……
その長い年月を想像できないでしょうね。

大人になって読む「銀色夏生の詩」は、10代の頃の心の奥がキュっとなるような感じはないけれど、読めば読むほど、静かに優しく満たされます。

そして、あっという間に過ぎていく日々の中で、「生きる」ことをもっと楽しみたいと思わせてくれました。
自分の心の奥の「生きる」力に気が付いたような、嬉しい気持ちになりました。
高校生の頃のように、私は私のままで生きていこうって思ったし、過ぎていく日々の中で、大切な事を見逃さないでいたいとも思いました。

30年の時を経ても変わらずに優しい「銀色夏生」の魔法のようです。

「推し」の魅力

中学生の娘2号が「私の推しが」と、一日何回言うんだってくらい言っています。
「推し、推し」ってうるさいって思っていた私ですが……
今回のお題で「銀色夏生」ってすぐに思い浮かんだので、間違いなく「私の推し」ですね。

「銀色夏生」の最大の魅力は、どの年代の人が読んでも心に響く言葉だと思います。
ちょっとお疲れな人、心が疲れた人には、写真を見るだけでも癒されますよ。

そうそう、先日、YouTubeの配信で初めて「銀色夏生」の声を聞きました。
ちょっぴりハスキーで落ち着いた素敵な声でした。

少しずつ、少しずつ、「銀色夏生」の世界を楽しみたいと思います。
今月末に発売予定の「庭は私の秘密基地」が待ち遠しい!

今回の記事では、「銀色夏生さん」「銀色さん」と書かず「銀色夏生」と書かせていただきました。
高校生の時から、私も周りの友人も「銀色夏生」と呼んでいたからです。
記事を書く上で「さん」を付けると、別の人になってしまう気がしました。
ご本人や関係者の方がこの記事を読まれることはないかと思いますが、もし読まれた時は、失礼をお許しください。