家は小さな幸せを集めた宝箱 *続編*『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~』を観に行きました!

先日、映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』を自宅で観て、深く感動したので、どうしても続編を映画館で観たくて!予定を変更して夫婦で小さな映画館に観に行きました。

小さな映画館なので、上映時間前は狭いロビーにお客さんが集まっていました。
観に来られている方たちは、私たち夫婦より年配の方が多い印象でした。

今回観た続編は、2018年に公開された映画の、その後のご夫婦の姿です。
予告編にもあるように、認知症と診断されたお母さんが脳梗塞で倒れ、99歳のお父さんがお母さんを介護する毎日が中心となった映画です。
できるだけ多くの方に観ていただきたい映画なのであらすじは書きませんが、観に行ってよかったです。
ご夫婦の絆がとても強くて、愛に溢れていて、家族で寄り添う姿に今回も涙が止まりませんでした。それでも所々で思わず笑ってしまうのは前作と変りません。

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変らずに繰り返すことの幸せ

お母さんが認知症になってから、それまで家事をしたことのないお父さんが家事を始めます。
99歳で布団の上げ下ろしもされていますし、布団の掛けカバーが汚れないようにタオルを縫い付け、定期的に交換されてます。お父さんが針を使って縫っているんです!
長い年月、お母さんがお風呂場で毎日していた「洗濯当番」も、お父さんが引き継ぎます。洗濯機は脱水だけに使っているようで、基本は手洗い。古いお家なので家の中に洗濯機用給水栓がないようです。

お母さんが病院に入院しても、お母さんと同じやり方で繰り返される「日々のルーティーン」から、お父さんが病気のお母さんが帰ってくるのを、心から待ち望んでいるのが伝わってきます。変らない家で、変わらない食卓で、待っているのです。

「日々の繰り返し」と「変らないこと」が、ご夫婦にとっての積み重ねてきた歴史であり、幸せの形ではないかと思いました。

夫婦の日々のリズムは夫婦にしかわかりません。ヘルパーさんにお願いできることはお願いして、自分たちでできる事はする。高齢の夫婦の為に「便利」を取り入れる方法もあるかもしれませんが、「便利さ」は、余計なことかもしれません。

夫婦の時間にテレビがない?

夫が気が付きました。「あの家、テレビ置いてないよね」
緊急事態宣言をする総理大臣の姿がテレビに映し出されていた場面はあったけど、それは家の中のテレビなのか分からないと言う夫。
食事をするテーブルの周りにテレビはなく、お母さんが毎日ピカピカにする台所にも、お父さんが山のように本を積んでいる部屋にもテレビはありません。

もしかしたら、撮影されていない部屋にテレビはあるのかもしれませんが、夫婦で過ごす時間にテレビの存在はなく、聞こえてくるのは、お父さんの歌声と、言葉と、夫婦の会話です。

我が家にはテレビはありませんが、夫と二人きりの生活になったらテレビは買った方がいいかもと思っていた私です。(笑)
夫婦の時間にテレビもスマホも必要ないって素敵すぎます。

帰りたい場所は「家」

映画を観ながら、他界した義父を思い出しました。
高齢者が入院すると「家」に帰ることは目標であり、心の拠り所です。
義父は病院で何度も「家に帰りたい」「連れて帰って」と言っていました。

結婚してから義父には助けてもらってばかりいたのに、たった一つの願いを叶えてあげられませんでした。

それが、映画の中でお母さんへのサプライズでプレゼントされているのです。
目から鱗の方法でした。(私たちが思いつかなかっただけかもしれませんが)
その方法は、是非、映画で観てほしいです。


義実家の庭から持ってきた紫陽花が今年も咲きそうです。

家は小さな幸せを集めた宝箱

映画の中で何度も聞く「ただいま」「おかえり」の言葉。こんなに優しい響きの日本語だったのかと思いました。それはきっと、信友家の小さな幸せの積み重ね。

決して贅沢な暮らしではないけれど、笑顔で過ごし、小さな幸せを見つけて喜び、感謝し、目の前の暮らしを楽しむ。
古い小さな家が、何が起きても優しくて穏やかな空間であるのは、夫婦生活60年という長い間に「小さな幸せ」をたくさん見つけ、「家」という宝箱に集めてきたからだと思います。

人生で大切にしたい事を考えさせられた映画

映画の中で一番心に残ったのは、お父さんがおいしそうに笑顔でファミレスのハンバーグを食べる姿です。映画の全てがそのシーンにギュッと詰まっているようで涙が止まりませんでした。ネタバレするので詳細は控えます。

小学生の頃から認知症の祖母のお世話をしてきた私にとって、「家族」という言葉は、介護を美化する「重荷」でしかありませんでした。
自分の娘たちだけには、絶対に同じ思いをさせないと心に誓って生きていました。
でも……
そんなに深く考えず、小さな幸せを見つけて少しずつ集めていれば、きっと大丈夫って思えるような映画でした。
不思議な優しい力を持った映画でした。

映画から学んだ健康の秘訣

・よく食べる
・よく笑う
・会話する(一人でも声を発する)
・暮らしのルーティーンを守るための規則正しい生活

おわりに

暮らしの中に、小さな幸せってきっとたくさんあるんですよね。
それを見過ごさずに、「今日も一日幸せに過ごせた」と感謝して眠れるよう、一日一日を大切にしたいです。

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